2021-07-04

(過去記事)日向涼子さんの「ドマーネ」が完成 輝くオリジナルデザイン、想像以上の乗り味

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(過去記事)「ツール・ド・フランスのコースを走りたい」 モデルでヒルクライマーの日向涼子インタビュー

日向涼子さんの「ドマーネ」が完成 輝くオリジナルデザイン、想像以上の乗り味
「エタップ・デュ・ツール」へ挑戦するモデルの日向涼子さんが、トレックのカスタムプログラム「プロジェクトワン」でオーダーしていた新しいバイクが完成した。日向さんがチョイスしたのは、悪路や長距離でも疲れにくいエンデュランス系ロードのハイエンドモデル「ドマーネ6」。オーダーから約1カ月を経て、アメリカのトレック本社から届いたばかりのニューマシンが、ついに日向さんの手に渡った。

「思っていたよりも素敵!」

4月30日、待ちに待った納車日を迎えた日向さんは、胸を躍らせながらトレック・コンセプトストア「BEX ISOYA 晴海」(東京都中央区)に到着した。

実は日向さん、今回オーダーしたドマーネ6と同じサイズの「ドマーネ5」の試乗車をトレック・ジャパンから借りて、すでに1カ月ほど乗り込んできたという。ドマーネ5は、6よりも価格を抑えたグレードだが、製品のコンセプトやジオメトリー(各部の寸法や配置)は変わらない。日向さんにドマーネの印象を聞くと、「下りへの苦手意識が薄れました。路面が荒れているところもイヤじゃなくなりました」と、その安定した走行性能を気に入っている様子だ。

店内に入るとすぐに、自身がオーダーしたニューマシンを見つけて駆け寄った日向さん。「実物は思っていたより素敵!」と驚いたような表情を見せた。女性らしい可愛いらしさをイメージしていたというが、「ラメの入った黒など、カッコいい感じになっていますね」と満足そう。自ら色やパターンを選んだ“日向涼子オリジナルデザイン”が、光り輝いて見えたという。

力強さの中に女性らしさ 徹底的に軽量化

日向さんがデザインを決めたフレームは、光沢のあるブラックをベースに、ピンクとホワイトの差し色が入り、またダウンチューブの「TREK」のロゴはミントグリーンで描かれている。市販モデルでは見られない個性的なカラーリングには、力強さの中に女性らしさを表す狙いがあるという。

メーンコンポーネントは電動シフトの「シマノ・デュラエースDi2」。スプロケットは、山岳コースを駆けるエタップを意識して11×28のワイドレシオとした。

ホイールは、この春登場したばかりの新型カーボンホイール「アイオロス3 TLR D3 クリンチャー」を選択。リムハイト35mmのクリンチャータイプながら、前後セットで1348gの軽さを誇る。タイヤには、ケーシングに320TPIの極細繊維を採用してグリップ力と乗り心地を高めたニューモデル「R4 320」をショップで追加導入した。サイドウオールの淡いベージュが、フレームのパステルカラーの差し色と呼応し、バイク全体のシャープな外観の中で柔らかい雰囲気をかもし出している。

サドル、ステム、ハンドルバー、ボトルケージといったパーツ類は、いずれもカーボン素材を使用した最軽量グレードがアッセンブルされ、徹底的に軽量化されている。

日向涼子さんの「ドマーネ6」のスペック

グループセット: シマノ・デュラエース 9070 Di2
ホイール: ボントレガー Aeolus 3 D3 TLR Clincher
タイヤ: ボントレガー R4 320
サドル: ボントレガー Ajna Pro WSD Wide
ステム: ボントレガー XXX Carbon 120mm/7deg
ハンドルバー: ボントレガー Race X Lite IsoZone VR-SF 40cm
ボトルケージ: ボントレガー XXX
ギアサイズ: 50/34 – 11×28

エタップに対応できるフォームや乗り方へ

バイクをひと通り眺め終えた日向さんは、続いてセッティングを行った。鈴木太地店長がバイクをローラー台にセットし、実際にペダルをこいだ状態で、レーザー計測用具や、膝の角度を計測する測定器などを使い、客観的な指標でポジションをチェックしていく。

ニューマシンは鈴木店長の手によって、これまで乗り込んできたドマーネ5とほぼ同じセッティングに組み上げられていたが、改めて日向さんを交え、どのような乗り方をしたいのかを話し合いながら、ポジションを煮詰めていった。

日向さんはこれまでヒルクライムを中心に参戦してきたが、エタップは上りだけでなく下りも平坦路も長く、全体の乗車時間は数時間におよぶ。今後はエタップ本番までに、さまざまなコースコンディションに対応できるフォームや乗り方を検討していく。

この日はトレック・ジャパン本社の野口忍さんも納車に同席した。野口さんはマウンテンバイク・クロスカントリーの元アジアチャンピオンで、ロードレースの経験も豊富。日向さんがエタップへ挑戦するにあたり、「コースを分析して必要な走りの要素をリストアップしましょう」と心強い提案があった。今後、下りを含めた長距離コースでのライディング・テクニックを日向さんに伝授してくれるという。

ヒルクライムでも強力なパートナーに

最後に、撮影を兼ねて“初乗り”へ。「BEX ISOYA 晴海」に近い晴海客船ターミナル(晴海ふ頭)へと移動した。短い距離だったが、新しいバイクに乗った日向さんからは「(これまで乗ってきた試乗車と)全然違う!」と驚きの声があがった。

ドマーネ6は、試乗車として使ってきたドマーネ5に比べ、フレーム素材にワンランク上の「600シリーズOCLVカーボン」が用いられている。車両全体が軽量であるうえ、新車というコンディションの良さも相まってか、ドマーネ6は乗り始めてすぐに「よく進む」と感じられたそうだ。

「ドマーネ5もとても良いバイクですし、形も同じなので、正直、走りの違いがわかるのかな…と思っていたのですが、新しいドマーネ6は乗り味が軽くてビックリしました」と日向さん。重量は、ペダルやサイクルコンピューターを含め6.7kg程度に仕上がっている。鈴木店長いわく「軽いチューブラーホイールに換えたら、6kg台前半にすることもできる」とのことだ。

エタップ本番にどのような仕様で臨むかはこれから検討していくが、日向さんが5、6月に参戦予定のヒルクライム大会でも、ドマーネ6が強力なパートナーとなることは間違いなさそうだ。

「いつか手にしたかった」 日向さんが語るドマーネへの思い
 以前、仕事でドマーネに乗せていただいた時、「攻撃的ではないけれど、落ち着きのある強さを感じさせるバイクだな」と、すごく印象的だったことを覚えています。悪路をも受け入れる懐の深さは、まるで「偉大な女帝」とでもいいましょうか。私にとって、「いつか手にしたいバイクのひとつ」になっていました。
その願いが叶い、しかも、プロジェクトワンでのオーダー。ペインターのサインを見つけた時には、「バイクに命が吹き込まれたのだ」と、喜びが湧いてきました。同時に、乗り手としての責任を感じているところです。

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