2021-07-06

(過去記事)イチから学びなおしたライディング エタップに懸ける日向涼子さんのトレーニング記録<前編>

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イチから学びなおしたライディング エタップに懸ける日向涼子さんのトレーニング記録<前編>
フランスのアルプス山脈で開かれる過酷な山岳サイクリング大会「エタップ・デュ・ツール」に出場するモデルの日向涼子さん。今年初めに参加を決意して以降、厳しいコースを完走するためにハードなトレーニングを重ねてきた。7月19日に大会を控え、これまでCyclistが取材してきた日向さんのトレーニングを振り返ります。

“アンジー”でヒルクライム練習へ

バイクのコントロール技術を高めるため、スラロームの練習をする日向涼子さん

エタップ出場を決めた日向さんが最初に取り組んだのが、相棒となるロードバイク選び。それまでヒルクライム大会に向いているとされる軽量バイクを使用してきたが、エタップは国内のヒルクライム大会と比べて走行距離がはるかに長いうえ、上りだけでなく下りも重要になる。そこで、乗り心地がよく安定性の高いバイクとして、トレックのドマーネを選択した。


エタップ・デュ・ツールに挑戦するための愛車に選んだのが、トレックの「カスタム・ドマーネ6」。日向さんは“アンジー”の愛称を名づけた

トレックのカスタムオーダープログラム「プロジェクトワン」を利用し、カラーリングやパーツの仕様を日向さん自身がチョイスしたカスタム・ドマーネは4月下旬、米国から日本に到着。初めて愛車と対面した日向さんは、美しさと優しさをたたえたような凛とした佇まいに米女優のアンジェリーナ・ジョリーさんのイメージを重ね、愛称を「アンジー」と命名した。

5月、初めて本格的な山岳練習に訪れたのは、茨城県の筑波山系。日向さんがヒルクライムの師匠と仰ぐ自転車ライターのハシケンさんと一緒に、激坂を含むアップダウンの周回コースを巡った。
アンジーと一緒に筑波山系を訪れ、ヒルクライム練習に挑戦。トレック「ドマーネ」の乗りやすさと疲れにくさに驚いた

すでに筋トレを含め体作りに取り組んできた日向さん。撮影を兼ねて練習に臨んだこの日、本気のライドは1時間程度だったが、愛車アンジーとの相性を確かめるように、何度もペースを上げたり下げたりした。

シッティングとダンシングを織り交ぜつつ、厳しい坂道で“もがき”を含めて全力を出し切った日向さん。練習を終えて満足そうな笑顔を見せた。

「ドマーネはとても安定していて乗りやすい。細かなセッティングはこれから詰めていきますが、不安はありません」
入手したばかりの新しいバイクに十分な手ごたえを感じたようだった。


頂上付近でガッツポーズ。調子は上々

「日向涼子オリジナルウェア」でエタップ出場へ


シックでゴージャスな雰囲気が魅力

エタップ・デュ・ツール参戦にあたり、日向さんは自らデザインを手掛けたオリジナルサイクルウェアを製作。5月中旬以降は、トレーニングライドやサイクリングイベントで主にこのジャージを着用してきた。

ウェアはグリーンのグラデーションとブラックをベースに、シャンパンの泡をイメージした泡が描かれ、エタップ参戦を記念したエンブレム風のデザインもあしらわれている。また、背面のポケットの内部には、日向さんが描いたイラストとメッセージが潜んでいる。

日向さん自身がエタップ本番で着用するジャージは、前面にサポート企業のロゴが大きく描かれた仕様。一方、ファンや一般サイクリスト向けには、企業のロゴがないベーシックなデザインのジャージとウインドブレーカーが販売されている。
(※現在は販売終了)

元MTBアジア王者が熱血指導

5年前からロードバイクに親しみ、ヒルクライム大会では上位入賞の経験も多い日向さん。ヒルクライムに向けた練習を中心に、筋トレや、パワーメーターを使った本格的なトレーニングにも取り組んできた。しかし、エタップに向けて大きな不安も残っていた。それは、平坦や下り坂が苦手で、集団走行の経験も少ないことだ。

そんな悩みを解消しようと、日向さんは6月、トレック・ジャパンのスタッフでマウンテンバイク(MTB)クロスカントリーの元アジア王者、野口忍さんに指導を仰ぎ、バイクのコントロールや乗りこなし方について、基本的なポイントをイチから学びなおした。

ロードバイクのバランス感覚をイチから学んだ

徐行や、自転車に乗ったままの静止などを経験した後に、広い空き地にパイロンを置いて、スラローム練習に挑戦。転倒してもけがをしないよう、ひじとひざにはプロテクターを装着するなど、まさに特訓状態だ。

日向さんは、最初はなかなかスムーズに曲がれず、また前輪はパイロンをクリアしても後輪で踏んでしまうなど失敗を繰り返した。

しかし野口さんから、体重を外側の足にかけて内側のひざは少し開くなどテクニックを教わり、徐々に早いペースでスムーズにクリアできるようになっていった。

また、約1万人が出場するエタップ本番では大きな集団で走ることも想定し、周囲のライダーと接近したり、接触したりすることに慣れる練習にも取り組んだ。日常のライドにはあまり関係ないようなシチュエーションだが、小さな不安や苦手意識を摘み取るためにはとても有効な取り組みだ。

練習を終えた日向さんは「バイクを思い通りに操るコツがあることがわかってきた」と、自転車のより奥深い世界に開眼したようだった。

エタップ挑戦をサポートするブランド






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