あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
前回のブログでは、
「パワーメーターを使わないトレーニング法」ということで、
パワー(出力)が分からない場合は心拍数を管理してトレーニングをする。
…というところまでやりましたね。
今日のブログでは、
①最大心拍数の求め方
②心拍ゾーンごとのトレーニング効果
この2点についてお伝えしたいと思います。
①最大心拍数の求め方について。
目安として「220-年齢=最大心拍数」というのは、
多くの方が聞いたことがあると思います。
これは年齢が高くなるほど誤差が出てしまう傾向があり、
現在では「208-(0.7×年齢)」を使われることが多いです。
※「206.9-(0.67×年齢)」もありますが差は少ないので今回は上記採用
例:40歳の場合
208-0.7×40=208-28=180
最大心拍数:180
ただし、この数字も個人差があるので、
あくまでトレーニングを始める際の目安として考えます。
トレーニングを続けるちに「物足りないな…」ということもあるでしょうし、
逆に、「苦しくてそこまで上がらない」「一旦上がるとなかなか下がらない」
という事象が出てくると思うので、調整しながらトレーニングを進めましょう。
続いて、
②心拍ゾーンごとのトレーニング効果について。
「運動強度(%)=心拍数÷最大心拍数×100」という計算式が登場します。
例:先ほどの40歳(最大心拍数180)の方が、心拍数を150まで上げて運動をした場合、
150÷180×100=83.3……
おおよそ83%の強度でトレーニングをしていることになります。
※運動強度をパーセンテージで表示できるサイクルコンピュータをお持ちの方は
心拍数ではなく、パーセンテージで表示しましょう。
(画面分割表示ができる場合は心拍数と運動強度のどちらも表示させましょう)
運動強度83%がどれくらいかというと…
ゾーン1(50~60%)
リラックスした強度で息を切らさずに会話ができる状態
ゾーン2(60~70%)
会話はきついが快適さを感じる強度
ゾーン3(70~80%)
ややきつい・会話ができなくなってくる
ゾーン4(80~90%)
かなりきつい・息があがる
ゾーン5(90~100%)
ほぼ全力・全く余裕がない
83%はゾーン4(80~90%)にあたり、「かなりきつい」状態です。
「練習ではとにかくモガいています!」という方は
このゾーンで練習することが多いと思いますが、
各ゾーンにそれぞれ意味があり、
一概にひたすらモガいていればいいわけではありません。
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ゾーン1(50~60%)リラックスした強度で息を切らさずに会話ができる状態
ウォーミングアップ・ビギナーの基礎トレーニング・脂肪燃焼
ゾーン2(60~70%)会話はきついが快適さを感じる強度
脂肪燃焼・有酸素能力の向上
ゾーン3(70~80%)ややきつい・会話ができなくなってくる
持久力の向上
ゾーン4(80~90%)かなりきつい・息があがる
最大酸素摂取量(VO2max)の向上
ゾーン5(90~100%)ほぼ全力・全く余裕がない
無酸素運動容量の向上・上級者向け
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初心者や減量をしたい方、
逆に高強度トレーニングからの回復目的として、
ゾーン2~3くらいの強度で1時間回してみるのも効果があります。
まずはトレーニングを続けて追い込む力をつけていきましょう。
続けるうちに、心拍が早く落ち着くようになったり、
自分にとってちょうどいい最大心拍数がわかる、
追い込める数値が上がっていくなど発見があると思います。
さて、ここでお気づきの方もおられるかもしれませんが、
パワートレーニングと比較して、
心拍トレーニングは「個人差がある」という不確定要素があるのは否めません。
もちろん、一昔前はほとんどの人が心拍トレーニングをしていましたし、
自転車以外の種目では、いまだ心拍数を基準にしているものが多いです。
否定するものではありませんし、効果もあります。
とはいえ、
「パワーが分かった方がより的確なトレーニングが出来る」というのが現在の認識であり、
パワートレーニングが主流になっている要因のひとつです。
次回はどちらのトレーニングにも共通する悩み、
「トレーニングメニュー作りのヒント」です。(1/8更新予定)
特に心拍トレーニングでは心拍数を基準にトレーニングをするので、
「呼吸が苦しい!」→「ちゃんと練習している」という感覚になりがちですが、
フォームや呼吸法を変えることで
同じパワー(出力)でもラクに走れるようになります。
(パワーメーターをお持ちの方はいつもと比較しながら実践してみましょう)
FRAME連載『教えてハシケン先生』では
キツい坂道を楽に走るための呼吸法を紹介しています。